この数か月で、今まで当たり前だったことが急に変わり、戸惑ったり不安になったりすることもあります。
ポジティブシンキングというのもいいのかもしれないけど、体や心のどこかに不自然なものを感じるときは、ただ今心の中にある不安を感じたり、口に出したりすることも大事なのかなと感じています。
人は変化にストレスを感じるのが当たり前、そういう生き物だからしかたないさ。ああ仕事なくなったらどうしよう、収入が途絶えたらどうしよう、この先どうなるのかわからなくて怖いなぁ…と思いつくままにぶつぶつとつぶやいていくと、だんだん飽きてきます。だってわからないものはわからないし、不安を感じることに飽きてきます。
そうやって少しニュートラルな自分に戻ってこれた時、ふと思い出したのが昨年箱根に見に行った堀文子展。
堀文子さん100歳まで創作を続けた日本画家。同じことの繰り返しや同じ場所に留まることを「堕落」といい、情熱的に生きた女性。その作品と向き合った時に、目が覚めるようなというか、頭を殴られたような感覚になりました。変化を怖れて同じ場所に留まろうとしている自分に、それは本当に自分の望む生き方なのかと突きつけられたような気がしました。
そうこうしているうちに、変化のほうからやってきてしまって、気づいたら大きな変化の中にいるわけで。変化するということからは逃れられないんだなと実感する日々です。人や社会との距離ができた分、周りに流されることなく自分の本心と向き合うのに良い機会として、もう一度堀文子さんの本を読みたくなりました。
「群れない」「慣れない」「頼らない」を信条としていた堀さんの生き方は、今この時期を超えて、自分らしく、自分にとっての幸せと喜びを生きていくために、インスピレーションを与えてくれる気がします。